寺ベル in 地蔵フェス24

Teravel

① 泉倉寺(せんそうじ)/木造延命地蔵菩薩坐像
② 利根町歴史民俗資料館/両界大日如来坐像
③ 地蔵寺/木造地蔵菩薩立像
④ 静栖寺(じょうせいじ)/十一面観音×2
⑤ 浄山寺/地蔵菩薩立像

① 泉倉寺(せんそうじ)/木造延命地蔵菩薩坐像
印西市和泉にある龍腹寺二十五坊の一つで先蔵寺と伝えられている。この木造延命地蔵菩薩坐像は、像高139cm、カヤ材をつなぎ合わせた寄木造。目は彫眼で、体の表面は漆箔仕上げをしている。この像のように宝珠と錫杖を持ち、左足を下に垂らして坐る地蔵を延命地蔵と呼び、平安時代末期から鎌倉時代に多くみられる。浄土教とともに末法思想が盛んになるにつれ、広く信仰された。菩薩でありながら一般僧侶の姿をして六道の世界を尋ねて、衆生の苦を救済し寿命を増すといわれている。この像の制作年代は平安時代の末から鎌倉時代初めと考えられており、柔和な円頂の顔、おだやかな肉づけ、うすい衣は流麗で、全体が慈悲深い地蔵の特色をよく現しているといえる。

② 利根町歴史民俗資料館/両界大日如来坐像
中世、利根町域には鎌倉街道が走り、道沿いには由緒ある社寺や仏像が点在している。押戸地区には下総から常陸への渡船場があったとされ、根本寺の「両界大日如来坐像」も、こうした歴史を伝える一体。法界定印(胎蔵界)と智拳印(金剛界)を結んだ珍しい仏さまで、室町時代の作である。

③ 地蔵寺/木造地蔵菩薩立像
ヒノキ材で、頭と体の大部分は一木から彫り出し、体部は背面から内刳し、両肩で割りつなぎ合わせてある一木割矧造(わりはぎづくり)。像高は97.5cm。頭部は首で分離し、耳後で前後に割り内刳し、つなぎ合わされていて、玉眼がはめ込まれている(候補)。
 表面は錆地漆塗の上に白土地の彩色。肌部分の彩色はすべて剥落しているが、僧祇支は、丹彩が塗られ縁にはその上に白が施される。袈裟表は丹地に切金斜格子を置き緑青・群青・朱・白で文様が描かれ、条葉は群青地で、切金線2本で縁取られる。袈裟裏は緑青地に切金、裙は丹地で縁に切金が施される。額が張り、ややつり上がった目と引き締まった顔、動きのある衣文などに鎌倉時代の特徴がみられる。

④ 静栖寺(じょうせいじ)/十一面観音×2
静栖寺(田中)には2体の十一面観音立像が伝わっていて、写真左は平安時代の作。松伏町内における最古例であり、一木造、彫眼、像高 107.0cm 。本像は静栖寺の末寺である観音寺(廃寺)に伝わっていたものを招来したとも言われる。もう一体は南北朝時代の作で、手指の欠失や台座の損傷などが目立ったため、各部に修復が施されている。寄木造、玉眼、像高 137.0cm 。

⑤ 浄山寺/地蔵菩薩立像
浄山寺は野島地蔵尊と呼ばれ、もとは天台宗寺院として慈福寺と称していたが、江戸時代に曹洞宗に転じ、浄山寺と改名して今日に至る。本尊の地蔵菩薩像は、毎年2月24日と8月24日の2日間開帳され、本堂壇上のガラスケース中に安置される。像高約90センチ。カヤかと思われる針葉樹材を用いた一木造。内ぐりのない古様なつくり。平安時代前期の作で、地蔵菩薩の古例として貴重。手先、足先などは後補。

タイトルとURLをコピーしました